広がるインターンの輪 寿都町公設民営塾 

 

前回の記事で、2025年夏の葛巻町でのインターンの取り組みをご紹介しましたが、 
時を同じくして、北海道は寿都町にて、卒塾生のインターンが行われていました。 
弊社公営塾のインターンとしては、葛巻町に続く二度目の例となるこの取り組み。 

 寿都町公設民営塾の阿比留先生に、インターン開催のきっかけや、生徒からの反響、今後の展望まで、
気になることをお聞きしました。
 
「公営塾の先生になるってどんな感じ?」――こうした素朴な疑問にも答えてくれるインタビューです。
ぜひ最後までお読みください。

 

先輩の姿が地元での高校生活やその先のモチベーションに

インタビュアー(以下、イ):
まずは、今回のインターンの概要について教えてください。どんなきっかけでどんな卒塾生が来てくれたのでしょうか。

寿都高校から関東の大学に進学し、当時大学一年生だったEさんが、お盆休みを挟んで一か月ほどインターンに来てくれました。
地元に貢献したいという理由はもちろん、もともと教育に興味があり、教える側としての経験をぜひ自分が通っていた塾で積みたい、というお話を保護者の方を通じていただいたことがはじまりです。 

ー指導風景ー

イ:葛巻町のインターンの例もそうですが、生徒の側から「インターンがしたい」という声が挙がるのは、
  本当にうれしいですね。
  大学一年生となると、塾の生徒からすれば年の近い身近な先輩だと思うのですが、
  授業以外での交流は何かあったのでしょうか。

はい。まさに身近な先輩の話を聞けるよい機会でもあり、インターン生をスピーカーとした講話会を、中学生と高校生それぞれを対象として開催しました。 

ー中学生向け講話会の様子ー

中学生に対しては、寿都高校の魅力というテーマでの講話会でした。 
 
寿都高校の魅力として、人数が少ないからこそ一人一人に目が行き届くといったことがあります。 
 
実際、インターン生のEさんは、先生方の声掛けが、高校主催の海外研修に参加したり海外の文化に目を向けたりするきっかけになったようなんですね。 

イ:それは、素敵なエピソードですね。
  小規模の学校だからこそ、一人ひとりに目が行き届くし、個別に先生が見てくれるというのはありますね。

そうなんです。

アットホームな雰囲気ときめ細やかな学習指導という寿都高校の魅力を身近な先輩から聞くことで、
中学生は地元の高校の魅力について再発見できたと思うし、高校生活のイメージも膨らんだと思います。 
 
あとそもそも、寿都では大学進学という選択肢自体、まだ一般的ではないんです。 
なので、中学生・高校生に拘わらず、現役大学生から話が聞けた経験は、
高校卒業後の選択肢の一つとしての「大学」のイメージを持つという意味でも、貴重だったと思います。 

イ:大学生の先輩から直接話が聞けるのは、中学生にとってとてもいい経験になったと思います。
       Eさんのエピソードもグッときます。
       高校生向けには、どのような内容の講話会だったのでしょうか。

高校生向けには、より受験に向けてのアドバイスにフォーカスした内容でお話をしてもらいました。 
 
寿都高校の現状として、これまではどちらかというと推薦で大学を決める生徒が多かったのですが、
近年は国公立大学をはじめ、一般受験をする生徒も増えてきています。 
一般受験でのロールモデルが未だ少ないなか、現高三(インターン開催時は高校二年生)にとって、
今回の講話会はとてもいい刺激になりました。 

―講話会後、Eさんの使っていた教科書を囲み、ざっくばらんに質問タイム―

「公営塾の先生」の魅力って?

イ:公営塾の存在意義として、ただの学習塾ではなくて、高校の魅力化・ひいては地域の魅力化に貢献するというのがあると思います。
     「戻って来たくなるまち」の理由のひとつとして塾が存在しているという手ごたえはありますか?

寿都の子たちは、「この町が好き」という気持ちが元々とても強いように思います。 
 なので、塾の存在が「町が好き」という気持ちの要因になっているといったような、
大それたことを言っていいのかは分かりません。

でも、塾が生徒たちのサードプレイス=家でも学校でもない第三の居場所となっているという声は
よく貰います。
そういう意味では、塾がまちの魅力となっている手ごたえはすごくあります。 
 
また、寿都はふるさと教育が盛んで、そういった要因も、町が好きという生徒の気持ちにつながっていると思います。 

イ:そうだったんですねな要因がある中で、塾の存在が「町が好き」という気持ちの要因の一つとなっているとしたら、ごくうれしいですね。
    日常生活で「塾の先生」として地域おこしに関われていると実感することはありますか?

そうですね。例えばなのですが、 
この仕事をしていると、町の食事屋さんでお店の人と気さくにお話したりだとか、
道を歩いていて「塾の先生だ!」と塾生ではない子供から声をかけてもらうことがあったりします。 

イ:そんなことがあるですね! 

そうなんです。私自身は寿都の出身ではありませんが、 
町の一人として受け入れてもらっている実感がすごくあります。 
 
また、町の神社祭といった伝統行事にも、町の一人として参加させていただく機会があります。
その他、町のイベントにはなるべく顔を出しますし、塾の様子の発信に併せて、
こういった町の行事の様子のSNSでの発信にも力を入れています。 
 
自分の故郷ではない町で、自分事として町の課題を捉えて、町の魅力化に関わったり、町の魅力を発信したりする立場になれるというのは、一つこの仕事の魅力かもしれません。 

イ:「塾の先生」という枠組みとどまらないやりがいがあるのですね。

魅力的なまちをつくる、といった大きなことも、日々地元の人や子供たちと接するとか、
そういった小さなことから始まっていくような気もします。 

生徒が地元で希望の進路を叶えられる環境づくりと、戻って来たいまちづくりのお手伝いに、
これからも尽力していきたいです。 

以上、葛巻に引き続き、寿都でのインターンの様子をお届けしました。 
前回の葛巻のインターンも、今回ご紹介した寿都のインターンも、 
生徒側からの「かつて通った塾で働いてみたい」という声から生まれたというのが、とても印象的です。 

 また、学習支援に加えて、まちの魅力化にも関わっていく 「公営塾講師」の仕事の魅力も伝わってきます。 

このように、高校の教育環境の魅力化・ひいてはまちの魅力化のお手伝いまで、 
弊社では各公営塾がそれぞれその学校・まちの特色に合わせた独自の取り組みを行っています。 

今後、みらいくHPでは地方暮らしの魅力やお役立ち情報に加えて、 
各塾の取り組みについてもたくさん発信していきます。 
是非楽しみにしていてください。 

ー寿都町公設民営塾HPー
https://suttujuku.com/
ー講師紹介ページ 阿比留先生ー
https://chihousousei.info/staff/profile/#abiru
※講師などの情報は2026年5月時点のものです