地元進学率50%からの挑戦ーー玖珠町×公営塾で切り開いた未来

こんにちは!
皆さんは、地方の学校の統廃合が進んでいることをご存じでしょうか。文部科学省の調査によると、2021年から2023年の3年間で1,025校、2004年からの20年間では8,850校もの学校が廃校となっています。
この数字からも分かるように、少子化の影響は確実に地域の教育環境に影を落としています。
特に地方では、「地元進学率」の低下が高校の存続を左右する大きな課題となっています。
今回は、私たちが支援する大分県玖珠町における公営塾設置の事例をご紹介します。
玖珠町は、地元進学率の向上と高校の魅力化を目指し、町ぐるみでの取り組みを進めてきました。中でも、公営塾「志学塾」の開設はその大きな転換点となりました。

玖珠町が抱えていた課題
当時の玖珠町では、人口減少や高齢化が進み、地域を担う人材の育成が大きな課題となっていました。
町内には玖珠農業高校と森高校の2校がありましたが、いずれも定員割れの状況が続き、「このままでは高校そのものが存続できなくなる」という危機感が高まっていました。
町では2015年、「新設高校開校支援委員会」を立ち上げ、高校統合と新たな魅力づくりに着手します。

九州初のコミュニティスクールとして誕生した「玖珠美山高校」
2016年、玖珠農業高校と森高校を統合し、九州で初となるコミュニティスクール「玖珠美山高校」が開校しました。
地域と連携した教育を目指し、普通科と地域産業科の2学科制を導入。部活動や地域活動にも力を入れるなど、町ぐるみで高校の魅力化に取り組みました。
しかし、開校初年度の入学倍率は0.53と低迷。高校の認知や進学支援が十分に届かず、地元の中学生が近隣の進学校へ進む傾向が続いていました。
公営塾「志学塾」の開設とその効果
こうした課題に対し、町は公営塾の導入に踏み切ります。
きっかけは、町長と副町長が視察した北海道・足寄町の事例でした。町が設置する学習支援塾が進学率の向上や高校の存続に大きく寄与している様子を目の当たりにし、玖珠町でも導入が決定されました。
私たちはこの構想に基づき、2018年、玖珠町と連携して公営塾「志学塾」を開校しました。地元講師によるきめ細かな指導体制を整え、高校と連携しながら生徒一人ひとりの進路実現をサポートしています。
その結果、玖珠美山高校の入学倍率は0.98まで回復し、地元進学率も50%程度まで改善されました。

地方高校の魅力を支える「学習支援」という選択肢
町の部活動支援だけでは伝えきれなかった学びの魅力を、公営塾という形で補完することで、文武両道を目指す体制が確立されました。
この取り組みは、高校の進学実績や認知向上だけでなく、地域全体の教育力の底上げにもつながっています。
もっと知ってほしい「公営塾」
弊社の公営塾では、生徒一人ひとりが自分の可能性を広げ、将来の選択肢を増やせるよう支援しています。
「社会に出て活躍する力」「誰かのために何かができる力」を育むことを目指し、地域とともに歩んでいます。
📍詳しくはこちら
▶ https://chihousousei.info/about-miraiku/
▶ 志学塾HP:https://kusushigaku.com/
最後までご覧いただきありがとうございました!
次回も、地域の未来を支える“教育の現場”から、リアルな事例をお届けします。