卒業生がインターンで地元に!
弊社では、地方創生に向けて教育支援を中心に様々な活動を行っております。
今年の8月20日~9月10日にかけて、岩手県葛巻町学習塾では、卒業生を中心にインターンを実施いたしました。卒業した学生たちが、教えられる側から教える側に立ち、自身の後輩たちのために精一杯活動しました。
今回のイベントは、卒業後も継続的に交流の機会を持てるようにする事と、卒業後に再び葛巻町に戻ってくる切っ掛けづくりを目的として企画し、5名の想定を上回る10名の卒業生が応募してくれました。今後は、地元企業や大学とも連携を強化して、葛巻町のUターン促進や関係人口の拡大を目指していきたいと思います。
そして、この度は実際にインターンに参加いただいた卒業生の声をご紹介いたします!是非最後までご覧ください!
津田塾大学一年生 宮野さん 千葉県出身
●葛巻高校について
私は、高校受験の際に「指定するレベルの高校に行けないのであれば、山村留学生として地方の高校に進学するように」と親に言われている中で、受験に失敗してしまい葛巻高校に進学することになりました。そのため、周りの山村生の前向きな理由での進学とはちがって、仕方なくといった部分もあり、モチベーションは非常に低い状況でした。私は髪を染めピアスを開けて入学式に参加し、誰よりも早く生活指導を受けました。そんなスタートだったこととこもあり、当時の私はこのまま高校で勉強をするくらいならば、元から興味があった演劇を理由にして高校を辞めようとも思っていました。しかし、先生にそれを打ち明けると、意外にも「盛岡は演劇が盛んな場所だ」とむしろ後押ししてくれ、公欠をもらって盛岡で演技を学びに行くこともありました。学校の先生方は教育熱心で、生徒一人ひとりにしっかり向き合ってくれる方ばかりでした。特に2年生と3年生の担任の先生は厳しさの中にも温かさがあり、父親のような存在で大変お世話になりました。
●宮野さんにとっての公営塾とは?
寮生活や慣れない環境で過ごす中、居心地の良さを感じられた場所でした。公営塾の先生も高校の先生と同様に親しみやすく、生徒一人ひとりに対して真摯に向き合ってくれました。中学生時代の私は、塾では勉強せずにTikTokを撮っているような生徒でしたが、高校では興味のあった国語科目を中心に指導していただき、得意を伸ばすように勉強することができました。
高校3年時の受験は上手くいきませんでしたが、受験勉強と並行して取り組んでいた地域おこしのビジネスコンテストで最優秀賞をいただくことができ、高校卒業後は、そのビジコンを通じて知り合ったコンサル企業に就職し、一年間の社会経験を積みました。
そして、翌年には高校三年間と一年社会人経験を活かし、総合型選抜を通じて津田塾大学に進学することができました。現在は、大学の授業を受ける中で、より質の高いアウトプットのためにはインプットが重要であると気づきました。来年からは、より専門的な科目選択を取ることができるので、統計学を専攻したいと思っています。
●山村留学について
高校生の3年間を親元を離れて過ごす経験は、私にとって自立や成長において非常に重要なものでした。親からどう思われようが気にせず、自分自身に向き合うことができる期間となり、自分の好きなことや興味のある分野を探すことができました。両親には多方面で心配をかけたと思いますが、学校の先生や周りの大人たちが親身になってくれて、やりたいことをやらせてくれる環境で自分なりに頑張ることができました。ここまで振り返ってみても、葛巻に来られて良かったと思います。
●インターンについて
今回のインターンでは、国語を担当しました。指導の際には生徒が答えに詰まってしまった時に、答えまでうまく誘導することに苦戦しました今回のインターンの話は、大学の友人たちも興味を持ってくれて行ってみたいという友人もいるので、地方に貢献できる機会があれば積極的に参加したいです。
城西大学 山口さん 葛巻町出身
●葛巻高校について
葛巻では地元進学か盛岡の高校を選択する生徒が半々ですが、葛巻中学校は縦のつながりから地元進学を選ぶ生徒が多いです。そのため入学に大きな不安はありませんでした。葛巻高校は少人数制なことから、生徒はもちろん、先生との距離も近く、いつも親身になってサポートしてくれました。高校では自分は物理が好きなことに気づいて数学をはじめとした理系科目の勉強を頑張っていました。
●公営塾について
塾の先生は親や友人よりも生徒の恋愛事情に詳しく、近所のおじさんのように親近感がありました。それほど距離が近く、勉強でわからないところはすぐに聞ける環境でした。自分は英語と数学を中心に学習し、共通テスト前などは映像教材を活用しながら世界史を勉強していました。厳しいところは厳しかったけど、公営塾は過ごしやすく居場所だと思える場所でした。
●インターンについて(今後も)
今回のインターンは、クラスLINEで回ってきて、地元に帰るタイミングでもあったので参加しました。葛巻高校が好きな卒業生は多くいるものの、移動や宿泊などがネックで帰ってこられないという話も聞いていたので、交通費などの支給は非常に助かりました。実際のインターンでは、まず懐かしい顔ぶれと交流(再会)できて素直に嬉しかったです。そして、実際の指導は全体を通して伝える経験になりました。特に生徒の学習理解度の把握に苦戦し、解法のどこから説明すればよいのか毎度悩みました。3日間の短い期間でしたが、最終日には最初と比べて教えるのが上手になったと褒めてもらえました。自分は将来の選択肢に教員もあるので、今回のインターンは非常に勉強になりました。次回もあれば数学や物理など理系科目を教えたいです。
東京学芸大学 江田さん 葛巻町出身
●葛巻高校について
第1希望が落ちてしまい、葛巻高校に進学することになりましたが、葛巻高校は地元の学生以外にも東北から沖縄出身者まで多くの山村生がいて、刺激を貰う機会は非常に多かったです。
また、先生との距離も近く、いつも気にかけてもらい相談もしやすい環境でした。もともと自分から質問を聞きにいくのが苦手なので、生徒が多く教授との距離も遠い大学だと聞きたい事もなかなか聞けないことも多々あり、大学に入ってから高校の時の先生方のありがたみを強く感じました。
●公営塾について
特別支援学校の教員を目指そうと大学に通いたいとは思っていたので公営塾があるのは非常に良かったです。特に、家だと誘惑も多く、勉強になかなか集中できないタイプなので、受験期に特別に自習スペースを設置してくれたのはとても勉強するのに役立ちました。また自習室では同じように頑張る友達もいてモチベーションの維持にもつながりました。
●インターン参加のきっかけは何ですか?
高校の時のラインのグループで案内が来て知りました。今回のインターンでは、主に1,2年生を担当して指導をしました。インターン中の指導では、先輩後輩といった関係ではなく、講師と生徒という距離感に戸惑い、教え方なども苦戦をしました。教員を目指すうえで実際に生徒に教える経験ができたのは非常に良かったです。次回もあれば是非参加したいです。