「教育の新しいかたち:公営塾が拓く地方の可能性」

「教育の新しいかたち:公営塾が拓く地方の可能性」
公営塾とは?


公営塾とは、自治体が運営する
学校外での公的な学習支援の場です。民間の塾がない地域でもこどもたちの希望の進路を実現できるよう一人一人に合わせた学びの機会を提供しています
 

教育格差の要因は学校外の教育環境!?

近年、「体験格差」という言葉が注目されています。2022年の文部科学省の調査によると、公立小中学生の教育費の約7割は学校外の活動費が占めており、学校外での学習が子どもたちの成長に重要であることを示しています。しかし、経済的背景や地域によって教育の質に差が生じています。  

研教育総合研究所の調査によると、学校外教育費や世帯所得が高いほど学力が高い傾向があり、特に学校外教育費が月3万円を超えると学力に大きな影響を与えることがわかっています。これにより、学校外での教育支援の重要性が示されており、教育環境の改善が求められています。 

子育てや教育費が負担で理想の家庭が築けない「約7割」

 文部科学省の調査によれば(参考文献L4)、夫婦が理想の子ども数を持たない理由として経済的要因が7割を超えました。(参考文献L2)図1からもわかるように、より良い教育を受けさせようとする結果、子育てにかかる費用は増大傾向にあります。

 特に地方では教育環境の整備が難しく、都市部に比べて選択肢が限られています。そのため、地方の家庭はより良い教育を求めて都市部へ通うことが多く、経済的な負担は勿論。通学や送迎など時間や体力、精神面でも負担より一層大きくなります。このような状況が、理想の家庭を築く上での大きな障壁となる可能性があります。 

少子化による学校の統廃合。教育環境悪化のスパイラル

二人に一人が大学へ進学する現代で、教育費の負担が大きくても将来を見据えて、より有利な都市部の学校へ進学を目指したり、隣町へ子育て世帯が移住するといったケースもあります。その結果、子地方の高校の地元進学率の低下し、地元の高校が統廃合に追い込まれるといったケースが多くみられます。

 実際、総務省によると令和4年から2年間で293件(718校→301校)の統合例が報告されています。このような学校の統廃合は、その町の子育て・教育・就労のサイクルを崩壊し、地元を支える担い手の減少と、それによる産業の衰退に繋がり負のスパイラルに陥る可能性があります。特に高校の統廃合は町に与える経済的な影響が大きく、将来の若年層人口にも大きく影響が出ることが解っています。 


 こういった、状況を打破すべく「教育格差」「子育て世帯の負担軽減」「高校の存続や高校魅力化」を目指して公営塾を設置する自治体は全国で約170自治体と年々、増加しており、都市部への人口流出や少子化による人口減少を食い止める一つの手段として注目が集まっております

 

どこが、どのように運営しているのか?

 公営塾の運営は地域おこし協力隊や民間事業者と業務委託契約を行っている事例がほとんどです。弊社でも「教育とスポーツで地方創生」を掲げて多数の自治体と業務委託契約を結んで運営を行っております。 

 また、「公営塾」といってもその実施内容は自治体によって様々です。学習支援は中心とするところもあれば、将来の地域を担う人材を育成するためにその地域の歴史・文化・産業を中心に学ぶといったものものも多くあります。自治体のニーズに応じて運営を行っております。

公営塾で働く魅力

地方の未来を支える重要な役割を担う公営塾は、移住を考える方や教育関係に努めている方にとって、非常に魅力的な職となる可能性を秘めています。 

移住を検討している多くの方が「移住先での仕事」を課題として挙げており、その割合は半数を超えます。地方では、自分のスキルを活かせる職が限られることが課題です。特に、教育関連の仕事は少子化の影響で非常に少なくなっています。こうした中、公営塾で働くという選択肢は、「子どもが好き」「教育に携わりたい」と考える移住希望者にとって大きな魅力と言えるでしょう。 

さらに、公営塾では学習支援だけでなく、地域の魅力を活かしたイベントや、自身の経験を活用した活動も行っています。これにより、町の歴史や文化に触れ、自然と地域の人々とのつながりが自然と生まれます。移住先の豊かな自然や文化などをを満喫しながら働ける環境は、公営塾で働く独自の魅力です。 

また、民間の塾講師として働いている方にとっても、公営塾は理想の職場となる可能性があります。 

民間塾では、生徒獲得や売上ノルマに追われ、「本当にやりたい教育ができない」と感じた経験がある方も多いでしょう。教育に情熱を持って始めた仕事なのに、現実とのギャップに苦しむことも少なくありません。 

その点、公営塾では自治体と連携して予算内で運営を行うため、売上目標があるというよりは、純粋に子どもたちの学びを支えることに集中できます。また、地方の小さな町では、日常的に生徒と接する機会が多く、教室の外でも彼らの成長を実感できます。一人ひとりに真剣に向き合った分だけ成果が見え、地域全体の未来に貢献できるこの仕事は、教育者として非常にやりがいのあるものです。 
※注意
本記事で紹介している公営塾の特徴や運営内容は、弊社が受託運営する公営塾を基にしています。他の企業や団体が運営する公営塾については、内容や方針が異なる場合がありますので、ご注意ください。詳細について知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 

最後に:

公営塾は、教育格差を解消するだけでなく、地域の未来を切り拓く重要な役割を果たしています。都市部で得た経験を活かし、地方の子どもたちに新たな可能性を提供する仕事は、やりがいに満ちた挑戦です。また、公営塾の運営を通じて地域の文化や産業に触れながら、地方創生に直接貢献できる点は、この仕事ならではの魅力です。 

そして、弊社でも地域活性を目的として全国で公営塾の運営を行っております。教育を通じた地域の活性化に共感し、一緒に町の未来を創る仲間を求めております。移住となるとハードルも高いかと思いますが、公営塾の現場で、地域とともに成長し、新しい一歩を踏み出すサポートをいたします。

みらいくHP、教室HP、Xなどでも教室や町の様子を発信中。
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参考(文献、HP等)

参考

https://jyukusagasu.com/information/attending-cram-rate/ 

https://www.gakken.jp/kyouikusouken/edu/series/11/page2.html 

https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200901/1295628_004.pdf 

https://www.mext.go.jp/content/20240628-mxt_daigakuc01-000036720_1.pdf 

https://www.mext.go.jp/content/20240729-mtx_syoto02-000037270_1.pdf